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造成工事とは?新築外構と同時施工で【費用を抑えておしゃれに】

カテゴリーBLOG -日々徒然-
造成工事(擁壁)

《目次》

1.造成工事ってどんな工事?
2.造成工事と外構工事の関係性
 Ⅰ.一般的な造成工事から外構までの流れ
 Ⅱ.理想的な造成工事から外構までの流れ
3.造成工事におすすめの材料
4.造成工事と新築外構のまとめ

造成工事ってどんな工事? 

外構(エクステリア)専門店のプロでデザイナーの代表が、過去の事例や施工、経験を元に誰も教えてくれない外構の疑問点や悩みを詳しく解説いたします。
お客様にとってお家(お庭)は今後数十年も人生を共にする大切なもの。
絶対に失敗して欲しくないから、全国の方へ向けて情報を発信しています。

今回の記事の内容は捻出できるコストが数十万円レベルの可能性があるおすすめのテクニックです。
その難易度ゆえに出来る業者は限られてしまいますが、逆を言えばそんなレベルの業者を見つけられたら工事にかかるコストもデザインも思うがままだと思います(盛りすぎか?)
少々長い記事となりますがどうか最後までお付き合いください(^^)

まず外構工事と造成工事の関係性の前に、新築の戸建て住宅や店舗工事の際につかわれる〝造成工事〟という言葉はご存じですか?
造成工事とは簡単に言うと【建物をつくることができるように地盤を整える】ことを目的とし行う工事です。

代表的な造成工事の種類は、擁壁工事(高低差や傾斜のある土地を擁壁用のブロック積みや現場打ちのコンクリートで高低差をゼロにして宅地外への土砂の流出を防ぐもの)や土工事(敷地の地盤自体が高いまたは低い場合に切土や盛土をおこない高低差をゼロにする)、排水工事(水はけが悪い土地の場合に水はけの良くなる材料の混合や浸透管や浸透ますなどの雨水排水施設を設置する)があります。代表的な工事の詳細一覧は次の通りです。

造成工事(擁壁)

擁壁工事(プレキャスト擁壁):既製品のコンクリート製の擁壁をつかう工法。メリットは既製品を利用するので比較的費用を抑えにまた短い工期で施工が可能。コストの関係上高さ1.0m以上の高低差た傾斜を目安に採用することが多い。施工には規制やルールがあります。

擁壁工事(現場打ち擁壁):敷地の形や斜面、高低差に合わせて型枠をつくり生コンクリートを流し込む工法。工期は長めだが現場打ちコンクリートならではの無骨でシンプルな見た目が魅力的。

現場打ち擁壁
地盤改良状況(セメント混合改良)

土工事:バックホーやブルドーザー等の重機をつかい、敷地の地盤自体が高い、または低い状態の場合に切土や盛土を行い高低差を平らにする。(写真は地盤調査後、軟弱な地盤のセメント混合地盤改良工事も兼ねています)

排水工事:水はけが悪い土地の場合、既存の土中に水はけの良くなる材料の混合や浸透管や浸透ますなどの雨水排水施設を設置する工事。写真は浸透管を採用した排水不良を改善しているところ。各都道府県で助成金制度が整備されています。

浸透施設

造成工事と外構工事の関係性 

さて、最初に造成工事についてご説明させて頂きましたが次に外構工事との関係性を詳しくご説明させていただきます。

恐らく昔から建築業界では当たり前のことだと思うのですが、前職が公共工事(国や市町村発注の難しい工事)メインの私からしたらとても効率が悪く不思議、、、

そんな建設業界の闇も交えながらご説明させて頂きます。

一般的にお家(店舗)を建てるときの順番は、造成工事(造成業者)→地盤改良(改良業者)→基礎工事(基礎業者)→建屋建築(工務店やハウスメーカー)→外構工事(外構業者)で行われます。
そのため、最低でも地盤に係わる工事で〝5業者〟は入ることとなります。
一般的な工事のフローは次の画像を参照ください(今回は盛土のフローをつくりましたが、盛るか掘るかなので手間は同じとお考えください)

工事全体を通して掘ること(盛ること)最低でも3回
それぞれの工事で業者が違うので、その3回にかかった重機や機材の運搬費用、重複した工事費用、それぞれ発生した工事経費は気付かないうちに全てお客様が負担しています。
そのため気付いていないだけで十数万円~数十万円損をしています。
(上記細目は見積書に包括されて記載されているので分からないと思います)

また、〝フロート階段をつくって立体的なファサードにしたいな〟や〝のちのちのことを考えて段差や勾配の少ないバリアフリーにしよう〟などの敷地全体の高低計画は造成工事の時点でおおまかに計画しておかないと実現は不可能です。

なぜかというと、ほとんどの工務店(ハウスメーカー)はGL(造成時の地面の高さまたは前面の道路の高さ)+400mm程度で建物の高さを設定するからです。
階段でいうと1段から2段分の高低差です。

ではどのようにして造成工事から外構工事までを考えればよいかおすすめの方法をお教えします。

費用を抑え、デザイン面についても理想的なお家(店舗)を建てるときの順番はこちらです。
造成工事(外構業者)→地盤改良(外構業者)→基礎工事(外構業者・基礎業者)→建屋建築(工務店やハウスメーカー)→外構工事(外構業者)。

図のように、造成工事の時点で外構を見越した高さ設定で地盤をつくる(整地)ことで通常は3回も必要な土工事1回(外構で微調整は必要ですが)に抑えることが出来ました。
また一括して管理をすることで立体感や高さなどの調整も比較的容易、かつ工事期間の短縮も可能です。

比較してみると「なるほど、、、」と思いませんか?
ここで浮いた費用を建物やインテリア、外構本体につかわれるお客様が非常に多いです。

上記の方法は、どの業者でも出来ることではないと思いますが、デザイン設計を大事にしている業者は出来るところが多いように感じます。
早い段階から業者選びを検討して頂ければ、どの地域でも比較的容易に見つけることができると思います。

よく【外構は基礎工事が始まったら】や【外構は一番最後】という文言を聞く機会が多いのですが、私としては本当に安くておしゃれな家をつくりたいのならば不動産屋などから土地を購入した時点で〝家の設計と同時に外構(造成)の計画も進めるべき〟と考えています。

【工事金額費用の比較例(比較部分のみ抜粋)】
♦通常の造成・外構の場合
造成工事の費用:
盛土50㎥×¥3,500=¥175,000-
機材・重機搬出入 ¥35,000-
諸経費(直工の10%) ¥21,000-
小計 ¥231,000-

地盤改良の費用:
機材・重機搬出入 ¥35,000-
諸経費(直工の10%) ¥120,000-
小計 ¥135,000-

基礎工事の費用:
機材・重機搬出入 ¥17,500-
残土処分20㎥×¥4,000=¥80,000-
諸経費(直工の10%) ¥80,000-
小計 ¥177,500-

外構工事の費用:
機材・重機搬出入 ¥35,000-
残土処分15㎥×¥4,000=¥60,000-
諸経費(直工の10%) ¥200,000-
小計 ¥295,000-

工事合計費用:
税抜き¥838,500- 税込み¥922,350-①

♦通常の造成・外構の場合
造成工事の費用:
盛土15㎥×¥3,500=¥52,500-
機材・重機搬出入 ¥35,000-
諸経費(直工の10%) ¥8,750-
小計 ¥96,250-

地盤改良の費用:
機材・重機搬出入 ¥0-
諸経費(直工の10%) ¥0-
 小計 ¥0-

基礎工事の費用:
機材・重機搬出入 ¥0-
残土処分0㎥×¥4,000=¥0-
諸経費(直工の10%) ¥0-
小計 ¥0-

外構工事の費用:
機材・重機搬出入 ¥35,000-
残土処分0㎥×¥4,000=¥0-
諸経費(直工の10%) ¥194,000-
小計 ¥229,000-

工事合計費用:
税抜き¥325,250- 税込み¥357,775-②

①-②=¥922,350-¥357,775=¥564,575-

今回の試算のケースでは少なめの数量(面積・体積)で積算しましたが約60万円の費用が節約できました。
今現在施工している物件はもっと数量が多いので100万円以上の費用が抑えられていると思います。

2.造成工事を安くおしゃれにするための材料 

造成工事における境界部分の工事(ブロック塀など境界を分かつもの)にも安くておしゃれに工事をするおすすめのコツがあります。

開発工事や建築確認許可など県や市町村の規制や法律が係わっていない造成工事(特に市街化区域)は境界部分の材料が自由なことがほとんどです。
逆に調整区域などの宅地造成等規制法や都道府県の条例で工事方法が定められている場合は少し難易度があがります(不可能ではないですが申請図面を書き直さなければならないケースが考えられます)

私が経験したなかでよくある事例が、ハウスメーカーや工務店が外構の設計にまで係わってくる場合、(今までの流れなのか?)自然とブロック積みになっていることが多いです。
お客様がクローズ外構にしたい場合や、開発工事(主に調整区域や農地転用申請)が係わってこないケースの場合は必要ないです。完全にオーバースペック

極論、隣地との高さがフラットで、かつ隣地がいない(いらっしゃる場合でも近隣住民の方と仲が良くてトラブルにも発展しない場合)でしたら何もつくる必要がないです。

と言いつつも全く段差がない物件はほぼなく、やはり近隣住民には気を遣うもので私は〝地先境界ブロック〟をおすすめしています。

地先境界ブロック

シンプルでどんなお家とも相性抜群です。
ブロック積みの材料や段数によって変わりますが1/3程度のコストで工事が出来ます。
ただデメリットはブロック積みと違い材料にフェンスの柱が設置できないので別の基礎石が必要になることが注意点ですが、この工法を選定する場合はお家の裏側や側面が多いので問題ないかと思います。

正直、お家の外周でつかうブロックはほぼ見えなくなってしまうので、ポイントで一番安い製品&施工方法を活用し費用を削減することが賢いと思います。
その分アプローチやファサードなど目立つところにこだわりたいですね(^^)

参考までにちょっとおしゃれな地先境界ブロックを紹介致します。
黒玉石の地先境界ブロックです。

ウッドフェンスと化粧砂利の花壇

3.造成工事と新築外構を安くおしゃれにするまとめ 

この記事内容では造成工事の詳細や、造成工事と外構工事を合わせて考えることで工事全体での費用を抑える方法をご紹介いたしました。

全部を依頼できる外構建設業者を探すことは少し難しいかもしれませんが、もしいたとしたならばその業者は最初から最後までお客様と一緒に理想を叶えるモノ造りができる業者だということです。
そのような一蓮托生な出会いができるよう祈っております(^^)

ご相談やお見積もりは無料で承っておりますのでお気軽にお問合せ下さい。
このブログを通じてお客様の素晴らしいお家&お庭ができるお手伝いができたならば幸いです(^^)

【造成工事の基準 例)栃木県】

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